酷暑とキックオフ時間 — 「欧州のゴールデンタイム」が選手を焼いた
問題点
選手会FIFPROの分析によると、全104試合のうち約19%が「試合を延期すべき」とされる暑さ指数(WBGT28℃以上)の下で行われた。開幕日のヒューストンのファンフェスでは約3万人の来場者のうち110人が熱中症関連で手当てを受け4人が入院。マイアミの初戦は体感気温100°F(約38℃)超の「猛暑警報」下で開催された。
理由・背景
欧州のテレビ視聴に最適な現地昼〜午後のキックオフを優先した結果、屋根のない会場で北米の真夏の直射日光を浴びる試合が続出した。FIFAの規定では冷却ブレイクの義務化基準がWBGT32℃と、FIFPROの延期基準より4℃も高く、「選手保護より放映権」という構図が透けた。
改善案
FIFPROはWBGT28℃での延期・時間変更の自動発動を要求しており、FIFAも大会中から統一暑熱プロトコルの協議を開始したと報じられる。暑い都市では夜間キックオフの徹底、屋根付き・空調会場の優先使用、そして放映権より選手の健康を上位に置く明文規定が必要だ。
編集部の考察
全試合での3分間の給水ブレイク義務化は前進だが、空調の効いたドーム球場でも一律に実施されて「CM枠を作るためでは」と勘ぐられたのは皮肉だった。2030年大会はスペイン・ポルトガル・モロッコとさらに暑い地域が舞台。「真夏の昼間に屋外でサッカーをするべきではない」という当たり前の結論に、FIFAがいつ辿り着くかが問われている。
世界の声
「この時間設定は欧州のファンには最高だが、チームは苦しんでいる。」
— ルイス・エンリケ監督(スペイン)
「FIFAの暑熱プロトコルは正当化不可能。WBGT28℃で試合は延期されるべきだ。」
— FIFPRO(世界選手会)
「複数の開催都市のWBGTは冬開催だったカタールを超えていた。夜間開催を強く推奨する。」
— クイーンズ大学ベルファスト研究チーム

